北海道釧路市から北に70km程のところにある、弟子屈町(てしかがちょう)。屈斜路湖(くっしゃろこ)や摩周湖(ましゅうこ)など、手付かずの美しい大自然を有する土地にて、温泉熱を利用し絶品マンゴー栽培をしております。
マンゴーといえば宮崎、沖縄など、南国産のイメージが強いと思います。栽培するには最低25℃以上にしないといけないマンゴーを、冬場には氷点下25℃を下回るこの地で育てられる秘密は、「温泉」にあります。
弟子屈町は北海道でも寒い町ですが、約88℃の豊富な温泉が、約50℃以上の寒暖の差を埋めてくれます。温泉を熱交換器に通して、各ビニールハウスを暖めて栽培しております。
当社社長の村田が「北海道で誰もやったことがない農業ができないか」と、そこで考えたのがマンゴーでした。独学で勉強し、宮崎へ赴き、教えを請いました。ですが、九州と北海道では根本的に環境が違います。温泉熱があるとはいえ、その栽培は多事多難の道のりでした。
マンゴー栽培は温度管理がとても大事です。寒くしてあげないと花が咲かないので、毎日1℃ずつ温度を下げて、花が咲いたら3日で1℃ずつ温度を上げます。寒暖差が糖度を上げ、大半が糖度15度以上になります。
口の中に入れると、みずみずしい甘さが弾けるように広がります。とろりとした舌触りと、えもいわれぬ鮮烈な香りです。「北海道でマンゴーを作るなんて馬鹿か」と、言われました。でもこうして出荷できて、お礼の電話等をいただくことが、本当に嬉しいです。
「北海道で誰もしていない農業を始めたい」と、色々と考えた結果がマンゴー栽培でした。友人からも「馬鹿だな」と言われて、より強く決意をしました。
初めは化石燃料を使いハウスを暖める事を考えましたが、燃料費が莫大に掛かり断念。ふと温泉に入っているとき「これだ!」と思い、設備屋の友人に温泉熱でハウスが暖められるか問いかけたところ、できないことはないと言われ、湯量が豊富で源泉温度が高温の弟子屈町に決め、町長に相談に行きました。農業は大変だと言われましたが、役場が色々と応援してくれております。
北海道でのマンゴー栽培は苗木を冷やしてマンゴーの花芽を出すため、本場では出荷ができない冬の出荷も可能です。今後とも社員一同、まだまだ美味しい栽培をしてまいります。